「セラピスト」になるには?どんな資格が必要?
忙しい日常の中、仕事で疲れた体や心をリラクゼーションで癒してストレス解消している人は少なくありません。
リラクゼーションの施術者はさまざまな名称で呼ばれていますが、とくに女性が数多く活躍している職種として注目したいのが「セラピスト」です。
そこで今回は、セラピストの具体的な仕事の中身や、セラピストになるための方法について詳しくご紹介します。
セラピストってどんな職業?
最近は街中でもよく「セラピスト」という言葉を耳にします。
ところがセラピストには明確な定義はなく、一般的に人間の心身の不調に対して、医療的な方法以外のアプローチで治癒や改善を目指すための専門知識や技術を有する人と認識されています。
この定義に従うと、理学療法士や言語療法士、そして鍼灸師やあん摩マッサージ指圧師といった職種も広い意味でセラピストに含まれます。
しかしこれら国家資格が必要な職業は固有名詞で呼ばれることが多く、現在一般的にセラピストは「リラクゼーション系セラピスト」と呼ばれる、国家資格は持たず、主に民間の団体や協会などが発行している資格を取得してその技能が認定されている職業をさします。
主なリラクゼーションセラピストの種類
では、リラクゼーションセラピストには、具体的などのような職種があるのでしょうか?
ここでは代表的な5つの職種とその中身を紹介します。
リフレクソロジスト
人間の足の裏は第二の心臓とも呼ばれ、「反射区」と呼ばれる部位を刺激することで、血液の流れやリンパの流れを改善したり、その反射区と連動している内臓などの動きを活性化させる手助けをしたりするとされています。
リフレクソロジストはそうした全身と足の裏の反射区の関係に精通し、主に手技で刺激を与えることで体の不調の改善を目指すための専門職です。
エステティシャン
エステティシャンとは、主にエステティックサロンにおいて、ユーザーの顔及び全身に対して美容施術を行う人たちを指します。
エステティシャンの業務の中身は実に多彩で、ひと口に顔への施術といっても美白、シミやシワの改善、小顔効果、リフトアップなど多岐に渡り、全身の施術についても、ボディーメークから痩身、さらには脱毛まで取り扱っています。
アロマセラピスト
アロマテラピーとは、アロマオイルと呼ばれる精油などを用いて病気や身体的な外傷の改善、さらには心身をリラックスさせることでストレスの解消や精神の安定、病気予防の一助とすることを目的とした療法です。
アロマセラピストはアロマオイルに関する知識に精通し、実際にアロマオイルを使ってトリートメントを行ったり、不眠、精神的不安などユーザーが訴える症状に合わせて、どんなアロマオイルが効果的かといったアドバイスを行ったりします。
カラーセラピスト
色彩は、人間の心身に大きな影響を与えるとされています。
カラーセラピーは主にカラーセッション通じて相談者の悩みに向き合い、より良いアドバイスを与えて問題解決の一助としてもらうもので、「色彩療法」とも呼ばれています。
カラーセラピストは色彩療法に関する専門知識を有し、実際にカラーセラピーを行う人を指します。
ミュージックセラピスト
ミュージックセラピーは「音楽療法」とも呼ばれ、音楽を聞くことで心をリラックスさせたり、合唱などを通じて心身的な開放感を与えたりすることで認知症や自閉症といった精神的疾患からくる症状の改善を目指すもので、最近は介護の現場などでも注目を集めています。
そしてミュージックセラピーを行うための専門知識を有した人は、ミュージックセラピストと呼ばれています。
リラクゼーションセラピストになるには学歴や資格が必要?
上記でご紹介したリラクゼーションセラピストになるためには、国家資格は必要ありませんが、実際にその職種に就職する段階では、専門知識に関する勉強をした上で民間資格を取得するのが一般的です。
ただし、国家資格が必要な職種と異なり、民間の認定資格の取得はあくまで任意なので、実際には独学で必要な知識を身につけ、無資格のまま就職することも可能です。
民間資格は、民間団体や企業などが独自の審査基準を設けて任意で認定する資格のことで、一つの職種であっても複数の団体が認定資格を発行しているのが一般的です。
学歴に関しては、専門職であるため大卒資格を求められることなどはほとんどありません。しかし認定資格によっては高卒以上といった規定が設けられている場合もあるので、必ず事前に資格取得要件に関してチェックしておきましょう。
セラピストの認定資格を得るための方法
各資格により認定資格取得の方法に若干の違いはありますが、一般的に資格を取得するためには独学を除くと2つの方法があります。
専門の学校に通う
最も一般的な方法は、各資格の認定校を活用してカリキュラムを終了し、その後試験を受けて資格を取得うる方法です。
民間組織であるため講座で学ぶ内容や、求められる知識やスキルには違いがあるので、受講前に自分がどんなセラピストを目指したいのかというビジョンを明確にし、それにあった講座選びをすることが、将来のキャリア形成にとって重要なポイントとなります。
通信講座を受講する
そしもう一つの方法が、通信講座の受講です。認定資格により学習期間などは異なりますが、一般的には6か月程度のカリキュラムの講座が多く、講座によっては受講することで最終的な認定試験の受験が免除される場合もあります。
セラピストの学校や通信講座ではどんなことを学習するの?
それではリラクゼーションセラピストになるための主な学習内容を、分野ごとにご紹介します。
リフレクソロジスト
リフレクソロジストになるための学習でまず求められるのは、リフレクソロジーに関する理論の学習で、具体的には反射区のチャートなどが中心になります。これは足のどの部位が体のどの部位の反射区になっているのかを理解するもので、これを全て覚えることがリフレクソロジストとしての基本になります。
基礎知識が身に付いたら、実際の施術のテクニックや、カウンセリングを行うために必要な知識やスキルについても学習していきます。
エステティシャン
エステティシャンの施術内容は多岐に渡るため、その学習内容も豊富です。学習の3本柱となるのが、理論、技術、接客です。
理論では、肌の生理学、化粧品に含まれる成分やそれぞれの美容効果、などについ詳しく学んでいきます。
さらに技術については、ハンドエステに必要な手技だけではなく、エステ専用の機械の使い方なども学ぶ必要があります。
座学だけではなく実践的な学習内容も多いため、美容専門学校で必要な知識を身につけるケースが多いのが特徴です。
期間2年の専門学校などを利用した場合には、費用は200万円程度が目安となるなど、大学通学と同等の費用が必要になります。
アロマセラピスト
アロマセラピーは、アロマオイルが全身に与える影響について熟知している必要があるため、解剖生理学やメンタルヘルスといった医療的な知識も必要にあります。
さらにアロマオイルに関する理論や実際の活用方法、さらにはユーザーとの向き合い方まで、幅広く学習していきます。
代表的なアロマテラピー検定試験の場合、「筆記テスト」と、精油の香りから精油名を答える「香りテスト」の2つで構成されています。
カラーセラピスト
カラーセラピストの認定資格は、団体ごとに難易度や取得にかかる日数が大きく異なります。
例えばTCカラーセラピストの場合、1日の講座受講で認定資格を取得でき、2021年11月現在、教材やテキスト認定料込みで20,900円、全5時間で取得できます。そしてカラーセラピスト認定試験(JAAMP)のように、独学であっても認定試験を受けて合格すれば認定資格を得られるものから、カラーセラピスト資格(JADP)のようにJADPの認定する教育訓練を受けた人しか受験できないものもあります。
いずれも一般的なレベルにおいては比較的認定資格取得のための難易度は低めで、試験も自宅から受験できるものがほとんどです。
ミュージックセラピスト
ミュージックセラピストの資格も、いくつか種類があります。
日本音楽療法学会が認定している「日本音楽療法学会認定音楽療法士」資格の場合、受験資格を得るためには3年制の専門学校か4年制の大学の認定校を卒業しているか、学会が提供する認定講座を受講する必要があります。
試験は、筆記試験と面接試験があります。