オイルマッサージとは?身体だけはなく心も癒すオイルマッサージを取り入れるヒントを紹介
リラクゼーションには、肩こりや腰痛の解消などおもに身体のケアを目的にしているものと、ストレス解消など心のケアを目的にしているものがあります。
そして「オイルマッサージ」は、心と身体の両方を癒す効果が期待できるリラクゼーションであり、心身の癒しを求める方々を中心に人気を集めています。
今回はオイルマッサージの定義や用いられるオイルについて、さらにはオイルマッサージの種類まで詳しく解説していきます。
オイルマッサージとは
オイルマッサージとは、施術にオイルを用いるマッサージのことです。
一般的なマッサージが凝りをはじめとする身体の不調の解消を目的にしているのに対し、オイルマッサージの場合、その多くが身体だけではなく心の疲れの解消やエネルギーバランスの調整など、メンタル面への働きかけも目的としているのが大きな特徴です。
オイルマッサージの場合も、マッサージという名前が示すように施術者が身体への直接的な働きかけを行います。
ですが凝りの解消を目的とした一般的なマッサージが比較的強く身体に働きかけるのに対し、オイルマッサージの場合はリラクゼーションが主目的であるため心地よいと感じる程度の刺激を与えるだけの施術が多く、身体への負担が少ないことも人気の一因になっています。
オイルマッサージで得られる効果
オイルマッサージを行うことで期待できる効果には、次のようなものがあります。
浮腫の改善や免疫力の向上
ワキの下や足の付け根には、リンパの中にウイルス等が入り込んでいないかをチェックする関所のような役割をする「リンパ節」があります。
オイルを用いながらリンパ節に向けてマッサージを行うことでリンパ液の流れがスムーズになり、老廃物などの排泄を促して浮腫の解消効果があるとされています。
そのため浮腫が改善されて顔面周りに行えば小顔効果が、脚に行えば美脚効果が期待できます。
リラックス効果
オイルマッサージでは様々なオイルを用いますが、例えば「アロマテラピー」で用いられるエッセンシャルオイル(精油)のように、オイルそのものにリラックス効果があるものを用いることで、高いリラックス効果が期待できます。
保湿効果
オイルマッサージと聞くと、油分を肌に塗り込むイメージがありますが、実際に使われるのはオイル状の美容液である「ボディオイル」で、これは一般的な化粧水やクリームなどと比較しても油分が多く、さらには浸透力も高いことから保湿力に優れているとされています。
冷え性の改善や疲労回復
オイルマッサージで筋肉をほぐすと、血流やリンパの流れが良くなりやすくなります。
すると結果的に新陳代謝もアップするため、血行不良が原因で起きる冷え性、そして老廃物が体内に溜まることで感じやすくなる疲労の回復効果も期待できます。
オイルマッサージではどんなオイルを使う?
オイルマッサージでは、さまざまなオイルが用いられますが、その中でも有名なのが「精油」です。
精油とは、植物の香り成分を抽出したエッセンスで、植物の花、葉、果皮、根などを蒸す、皮を搾るなどして抽出するものです。
精油は原料の植物からわずかしか採取できないため、大変に貴重なものです。オイルマッサージにおいて、精油以外に用いられるオイルには次のようなものがあります。
ホホバオイル
ホホバオイル、は、メキシコ原産の「ホホバ」という植物の種から抽出して精製される天然由来のオイルです。
主成分は、人間の皮脂と同じ成分である「ワックスエステル」で、その他にもビタミンやミネラル、そしてアミノ酸などが含まれており、肌の水分バランスと皮脂のバランスを整え、肌の乾燥の改善に効果が期待できます。
アーモンドオイル
アーモンドオイルは、アーモンドの種子から抽出する低刺激が特徴の植物性のオイルです。
ビタミンEのほか、マグネシウムやカリウムといったミネラル分を多く含んでいるのが特徴で、保湿力が高く伸びも良いので、髪などにも使用できます。
そしてメラニン細胞の育成の抑制効果や、肌の炎症緩和効果が期待できるため、紫外線によるダメージケアにも効果があるとされています。
アルガンオイル
アルガンオイルはモロッコ南西部だけに生息する「アルガン」という植物の実から抽出される貴重なオイルで、別名「モロッコの黄金」とも呼ばれています。
主成分はオレイン酸とリノール酸などで、トコフェロール(ビタミンE)の含有量はオリーブオイルの数倍とされています。
抗酸化作用が強く、期待できる効果には美白、保湿、抗酸化作用、紫外線によるダメージからの回復などがあります。
オリーブオイル
食用油としても知られるオリーブオイルは、オリーブの果実をしぼって抽出されたもので、成分の70%が肌を潤す効果があるとされるオレイン酸のため、高い保湿効果が期待できます。
シアバター
シアバターは、西〜中央アフリカ一帯に生息するシアの実から採取される植物性のオイルです。
主成分はステアリン酸、オレイン酸などで、人間の皮脂の成分に近い成分が含まれているため肌馴染みがよく、保湿力の高さで知られています。
オイルマッサージにはどんな種類がある?
オイルマッサージは、施術方法や用いるオイルにより、いくつかの種類があります。
ここでは代表的な5つのオイルマッサージについて紹介します。
スウェディッシュマッサージ
「スウェディッシュマッサージ」は、およそ200年前にスウェーデンで誕生したオイルマッサージの一種です。
スウェディッシュマッサージのメインはオイルではなくあくまで手技で、110を超える手技を用いて全身をマッサージしていくのが特徴です。
オイルはいわば手技をスムーズに行うための文字通り潤滑油であり、施術の中ではごく少量しか使われません。
そのためオイルをたっぷりと使う施術後に感じるオイル残り感がないことも人気の一因となっています。
アロマテラピー
スウェディッシュマッサージの主役が手技であるのに対し、まさにオイルが主役なのが「アロマテラピー」です。
患者の主訴に合わせて用いる精油を変えるのが特徴で、香りの効果で脳を刺激する、精油の成分を皮膚から吸収させる等により心身の疲れを癒したり、自然治癒力を高めたりすることを目的としています。
バリニーズマッサージ
「バリニーズマッサージ」とは、インドネシアに古くから伝えられ受け継がれてきた、伝統的なアロマオイルマッサージです。
ココナッツオイル・ジャスミンオイルなどのオイルを使用し、筋肉やリンパの流れに沿うよう、指や手のひらを使用してオールハンドでマッサージをおこなうのが特徴です。
ロミロミ
「ロミロミ」は、ハワイ伝統のマッサージです。
スピリチュアル的な要素があるのが特徴で、ロミロミを行うことで良いエネルギーを与え、溜まった悪いエネルギーを浄化させるという考え方が基本になっています。
具体的な施術方法は、オイルを用いて施術者が手のひらや腕全体を使い、風や波の動きをイメージした動きで筋肉のコリの解消やリンパの流れの改善を行います。
アーユルヴェーダ
「アーユルヴェーダ」ではインド・スリランカで生まれ、5000年以上の歴史を持つとされる施術です。
アーユルヴェーダでは人間の体の中には「ドーシャ」と呼ばれるエネルギーがあり、そのバランスが崩れることで健康を損なうと考えられているため、ドーシャのバランスを整えることを目的に施術が行われます。
そしてドーシャのバランスを整えるために行われるのが、愛情のこもった手という意味を持つ「アヴィヤンガ」と呼ばれるオイルマッサージです。
アヴィヤンガでは主にゴマ油やハーブ系のオイルを使って身体を揉みほぐし、老廃物を流すことでドーシャを整えていきます。
目的にあったものを選ぶことが大切
ひと口に「オイルマッサージ」と言っても、アプローチの方法から目的、そして用いるオイルまで、さまざまな種類があることがおわかりいただけたでしょうか?
実際に施術を受ける際には、自分の目的や体質にあったものを選択することが大切です。