頭の疲れは「脳」の疲労?自分でできるマッサージを紹介
「特に疲れるようなことはしていないのに、なんだか疲れた……」「しっかり休んだはずなのに、頭がぼーっとして集中できない」といった症状が気になったことはありませんか?
このような症状は頭の疲れによるものかもしれません。
本記事では頭が疲れる原因や、その症状などについて解説します。
頭の疲労を解消するためのセルフケアもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
現代社会に増える「脳疲労」とは?
疲労といえば運動や肉体労働によって生じる「肉体疲労」のイメージが強いですよね。
しかし、疲れが生じるのは肉体だけではありません。
スマートフォンやパソコンの普及により増えているのが、頭つまり脳の疲労です。
筋肉を酷使すると筋肉痛や筋肉疲労が起こるように、頭を使いすぎると脳が疲れた状態に陥ってしまいます。
脳は記憶や思考、運動のほか感覚や食欲など、生命維持に関わるさまざまな機能をコントロールしている臓器です。
脳の指令によって体中に張り巡らされている神経がバランスを取り合って働き、体を良好な状態に保っています。
脳は外部からの情報をもとに神経を介して体の各組織に指令を出していますが、入ってくる情報が多すぎると混乱を起こしてしまいます。
その結果、脳の支配下にある神経のバランスが崩れ、体にさまざまな悪影響が生じてしまうのです。
これが脳疲労のメカニズムであると考えられています。
頭が疲れているときのサイン
脳の疲労が蓄積すると、体や日常生活に悪影響を及ぼすこともあります。
集中力が低下する
集中力が低下すると、ミスが増えたり仕事が手に付かなくなったりしてしまいます。
その結果、作業効率の低下を招き仕事に悪影響を及ぼす可能性も出てくるでしょう。
感情のコントロールができなくなる
イライラしたり怒りっぽくなったりするなど、感情面での不安定さが目立つようになります。
また、理由もなく涙が出てしまうのも脳が疲れていると出やすい症状の一つです。
自律神経のバランスが崩れ心身に支障をきたす
脳の視床下部が司る自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2つの神経があります。
この2つの神経は常にバランスを取り合って働いていますが、脳の疲労によってバランスが崩れると頭痛や冷え、不眠などさまざまな症状を引き起こします。
頭が疲れる原因
肉体的な疲労の原因は分かりやすいのですが、頭が疲れる原因にはどのようなものがあるのかいまいちピンと来ない方も多いかもしれません。
ここでは頭が疲れる原因について見ていきましょう。
スマートフォンやパソコンの使用
パソコンやスマートフォンなどデジタル機器の普及により、仕事からプライベートまで常に使用している方も多くいらっしゃるでしょう。
デジタル機器の使用によりあらゆる情報が次から次へと得られることは大きなメリットですが、その反面得る情報が膨大となり頭も疲れやすくなってしまいます。
仕事でパソコンを使い、休憩時間にスマートフォンをチェックするといった行動は、かえって頭を疲れさせていると言っても良いでしょう。
睡眠不足
睡眠不足は頭の疲労につながります。脳を休ませるには睡眠が必要ですが、入眠から起床まで全ての段階で脳が完全に休んでいるわけでありません。
人間の睡眠は「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2つの状態で構成されており、脳が休養できるのは深い眠りのノンレム睡眠時です。
睡眠時間が極端に短かったり眠りが浅かったりする場合は、頭の疲れが取れていない可能性があるでしょう。
精神的ストレス
職場やプライベートの悩みなど精神的なストレスがあると、睡眠不足などの体の不調につながります。
睡眠不足は脳の休息を妨げ、頭の疲れを助長する可能性があります。
マルチタスク
同時に2つ以上の作業を行う「マルチタスク」が、脳の疲労を引き起こすと言われています。
マルチタスク、いわゆる「ながら作業」は誰もが日常的にしている行動ではないでしょうか。
しかし集中力の欠如からミスの発生や生産性の低下につながるとされており、注意すべき行動でもあります。
見直したい生活習慣
頭が疲れる原因になるとはいえ、日常生活や仕事においてパソコンやスマートフォンは必須アイテムです。
またストレスを完全に排除することも難しいでしょう。
ここでは頭の疲れを軽減するために見直したい生活習慣について解説します。
仕事
仕事において大切なことは、タスクを詰め込みすぎないように自分自身で管理することです。
すべき仕事をリストアップして優先順位を決め、余裕を持ったスケジュールを組み立てましょう。
余裕のあるスケジュールは、イレギュラーな事態が発生した際のマルチタスク化を防ぐのにも役立ちます。
このような対策を講じることで頭の疲労が軽減され、集中力もアップし仕事の効率化につながるかもしれません。
もちろん業務内容によっては難しい部分もあるはずです。全てを一度に見直そうとするのではなく、「部分的に」、「できる範囲で」という形で、無理なくおこなうほうが無難でしょう。
食事
食事の管理もセルフケアの一環です。
脳の疲労を防ぎ機能を維持するのに重要なのが「脂質」。
脂質はエネルギー源となるほか、体内で生理活性物質として働く必須の栄養素ですが、摂りすぎは肥満や生活習慣病の原因となります。
そのため「質の良い」脂質を適量摂ることが重要です。
質の良い脂質として知られるのが「オメガ3系多価不飽和脂肪酸」。
代表的なものに魚油に含まれるDHAやEPA、しそ油や亜麻仁油などがあります。
ただし脂質は酸化しやすく、酸化された脂質は細胞の老化を促進します。
そのため抗酸化作用のあるビタミンAやビタミンE、ビタミンCなどを含む食品と一緒に摂取すると良いでしょう。
もちろん前提としてバランスの良い食事を心掛けることが何より重要となります。
時間があるときに、厚生労働省や農林水産省が提唱する「食事バランスガイド」を見ながら、自身の食生活を一度チェックしてみるのがおすすめです。
睡眠
睡眠時間の確保の他、質の高い睡眠をとることで脳の疲労回復が期待できます。
快眠のためのポイントは、就寝前にストレッチなどの軽めの運動を取り入れたりぬるめのお湯に入ったりすることなどです。
運動や入浴で就寝前に一時的に体温を上げ、布団に入る時の体温との差をつくることで眠りにつきやすくなります。
就寝2〜3時間前を目安に取り組んでみてくださいね*1。
また起床時に日光を浴びることでも体内時計がリセットされ、夜眠りにつきやすくなります。
朝起きたらカーテンを開けて陽の光を取り入れましょう。
頭が疲れた時のマッサージ
頭が疲れていると感じたらマッサージも効果的です。頭の疲れに効果が期待できるマッサージをいくつかご紹介します。
首のマッサージ
両手でこぶしを作ったら第2関節あたりを首の両側面にそれぞれあて、耳の下から肩に向かってさすります。
同様に首の後ろも、髪の生え際から首のつけ根に向かった手さすりましょう。
耳上から頭頂部のマッサージ
右手の指を軽く広げ、指の腹を使い耳の上から頭頂部までを小刻みに動かしながらマッサージします。
気持ち良いと感じる圧で数回繰り返しましょう。左も同様に行います。
ツボ押し
首の付け根から肩先のちょうど中間くらいに位置する「肩井(けんせい)」、耳の後ろにある骨の下のくぼみ「天牖(てんゆう)」と呼ばれるツボを、ゆっくりと押し5秒ほどキープしましょう。
痛くない程度に押してくださいね。
また、目を閉じることも頭の疲労回復に効果的です。
マッサージと併用して頭を休めましょう。
まとめ
頭が疲れていると感じたら、パソコンやスマートフォンの使いすぎやストレス、仕事の詰め込み過ぎなどによる脳疲労かもしれません。
余裕を持って仕事のスケジュールを組んだり、栄養バランスや睡眠の質を高める意識を持ったりすることが、頭の疲れの回復につながります。
また、仕事の合間などには簡単なマッサージやツボ押しなどでリフレッシュすることも、頭の疲労に効果的です。