眠れない原因は?快眠のためのマッサージも紹介
夜ベッドに入ってもなかなか眠りにつくことができないと、心身ともに疲れてしまいます。眠れない夜が続くと、翌日の仕事や生活に影響を及ぼすため、早めに改善したいところです。
今回は、仕事で疲れているのに眠れないという方に向けて、自然と眠るための方法を解説します。その中で、リラックスするために効果的な行動や、自宅で簡単にできる安眠マッサージも紹介しているので、寝つきの悪さに困っている方はこの記事を参考にしてみてください。
眠りたいのに眠れない…その原因とは?
眠りたいのに眠れないのは、さまざま要素が絡み合っています。
以下に、寝つきが悪い原因を解説します。
ストレスや不安感がある
睡眠には、心理的な要因が大きく影響します。
ストレスや不安、緊張などは、心身のリラックスを妨げ、眠りにくさに繋がるのです。
これは、夜になると優位になるはずの「副交感神経」が正常にはたらいていないことを指します。
そもそも自律神経には、交感神経と副交感神経の二種類が存在します。
交感神経は、身体と心が興奮状態の時に優位になるもの。副交感神経は、身体と心がリラックスしている時に優位にはたらくものです。
しかし自律神経は大変繊細で、些細な変化で簡単にバランスが崩れてしまいます。
ストレスや不安など心身ともに負担がかかる状態は、自律神経が乱れる代表的な例です。この場合、交感神経が優位になっているため、自ずと眠りにくくなってしまいます。
生活習慣が乱れている
生活習慣の乱れも、眠りたいのに眠れない原因の一つです。不規則な生活リズムは、睡眠の質を大きく低下させます。
私たちの身体に備わっている体内時計は、約25時間の周期でリズムを刻んでいるといわれています。
しかし、自分の睡眠・覚醒のリズムと外部のリズムにズレが起きると、体内時計が正常にはたらかずに寝付けない状況になることがあります。
たとえば、休日に夜更かしをしてしまい、朝起きられないといった生活は、昼夜逆転を起こしている可能性があります。これも、体内時計のリズムを狂わせてしまう原因のひとつです。
これ以外にも、食事を抜く、休憩を入れずに仕事や趣味に没頭する、寝る直前に激しい運動や入浴をする行為も、自律神経の乱れに繋がります。その結果、寝付きにくさを感じるかもしれません。
不摂生な食生活
味が濃いものや、カフェインやアルコールの過剰摂取も、睡眠を妨げる原因の一つです。
これは、消化活動が影響しています。
私たちの身体は、消化活動をする際に血流を優先して胃に運びます。そのため、体内は熱を帯びた状態になるのです。
本来、人間が睡眠モードに入った時、身体の熱を放出して冷まそうとします。体内の熱が冷めることにより、だんだんと副交感神経が優位になるため、眠気が訪れます。
しかし不摂生な食生活をしていると、胃に熱がこもったままになりやすく、いつまでも交感神経が優位の状態となります。その結果、寝つきが悪くなることも。
特に、夜遅くに食事をとると、眠っている間も脳が胃の消化活動に指令を出し続けるため、身体が休まらないので、なるべく控えましょう。
年齢による変化
加齢が原因で眠れなくなることもあります。
年齢を重ねると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が低下し、概日のリズムが乱れやすくなります。メラトニン分泌量が減少すると、体内時計が狂うため、布団に入ってもなかなか眠気が訪れないことがあるのです。
また、眠れない焦燥感からくるイライラや、不眠に対する不安が交感神経を優位にはたらかせてしまうため、悪循環に陥ってしまいます。
無理に眠ろうとするのではなく、リラックスして自然な眠気が訪れるまで待ちましょう。
睡眠不足にまつわるトラブル
睡眠不足は私たちの心身にさまざまな不調を引き起こすことがあります。
ここでは、不眠が続くと起こりやすいトラブルについて具体的に解説します。
精神的に不安定になりやすくなる
睡眠が足りていないと、精神的に不安になりやすいです。
夜更かしなどで十分に睡眠を取れていない日々が続くと、集中力や判断力が鈍りがちになります。その結果、仕事や勉強でミスが増え、効率が悪くなるかもしれません。
また、些細なことでもイライラしやすくなり、家族や友人などの対人関係にも悪影響を及ぼすことがあります。
睡眠不足を放置すると、精神的に参ってしまうリスクも高まるため注意が必要です。
体調不良になりやすくなる
睡眠不足は免疫力を低下させます。そのため、風邪をひきやすくなったり、ちょっとした体調不良を引き起こしやすくなったりします。
さらに、食欲をコントロールするホルモンバランスにも影響するため、過食や肥満になる方もいるようです。特に、夜遅くまで起きていると、空腹感を覚えるため、お菓子やジャンクフードを食べてしまう傾向があります。
健康的な食生活を送るためにも、良質な睡眠は大事です。
記憶力の低下
睡眠不足は記憶力や学習能力を低下させ、新しい情報を効率的に取り入れることが難しくなります。これにより、学業成績や仕事のパフォーマンスが低下するだけでなく、日常生活における判断ミスや事故のリスクも増加します。
大事な仕事や発表、試験を成功させたい方は、パフォーマンスを向上させるためにもリラックスした環境で休息を取ると良いでしょう。
眠りたいのに眠れない時の対処法
眠りたいのに眠れないときは、リラックスすることが大事です。
以下に具体的な方法をいくつかご紹介します。これらの方法を取り入れることで、ぐっすり眠ることができるかもしれません。
環境を整える
まず、睡眠環境を整えることが大切です。
快適な寝具を使用し、部屋の温度や湿度を適切に保ち、ホワイトノイズマシンを設置しましょう。室温は18度から22度、湿度は50%前後が理想とされています。
また、遮光カーテンを使用して外部からの光を遮断し、静かな環境を作ることも重要です。音が気になる場合は、耳栓を活用するとよいでしょう。
ルーティンを作る
眠る前にリラックスするためのルーティンを作ると、入眠がスムーズになります。
例えば、寝る前に温かいお風呂に入る、軽いストレッチをする、深呼吸や瞑想を行うなどの方法があります。
また、就寝前の1時間はスマホやパソコンの使用を控え、心を落ち着かせる活動を行うことも効果的です。
深呼吸する
ゆっくりと深呼吸をすると、副交感神経がスムーズにはたらきやすくなります。
深い呼吸を意識しながら、腹式呼吸を行ってみましょう。
まずは、背筋を伸ばして、鼻からゆっくりと息を吸います。この時、へその下に空気を取り込んで溜めていくイメージを持つと良いでしょう。
息を吸いきったら、今度は口からゆっくり息を吐きだします。吸うときの倍程度の時間をかけながら行うことが重要です。
これを1日10回程度、慣れてきたら20回程度を目安に行うと効果的です。
手軽にできる快眠マッサージの実践方法
眠りたいのに眠れないときに効果的なマッサージの方法について、以下のようにまとめました。これらのマッサージは、リラックス効果を高め、心地よい眠りへと導く手助けをしてくれるでしょう。
頭皮マッサージ
頭皮マッサージは、緊張を和らげ、リラックスを促進します。
まず、指先を使って額の中央からこめかみに向かって円を描くように優しくマッサージします。
次に、頭頂部から首の付け根に向かって、軽い圧をかけながらマッサージしてみましょう。
このとき、深呼吸をしながら行うとより効果的です。
耳のマッサージ
耳には自律神経を整えるツボが集まっており、耳のマッサージはリラックスに効果的です。
耳たぶを軽く引っ張ったり、耳の外側を指で軽く揉むようにしたりしてマッサージを行うだけで、ツボが刺激されます。
また、眠気を誘うツボとして「安眠」というポイントがあります。このツボは、耳の後ろの骨が出っ張っている部位から下側にあるくぼみの1.5㎝ほど下あたりに存在します。
力の入れすぎに注意しながら、マッサージすることで、全身の緊張がほぐれ、心地よい眠気が訪れるでしょう。
ハンドマッサージ
手のひらには多くのツボがあり、ここをマッサージすることで全身のリラックスが促進されます。
特に「合谷」というツボは、緊張感をやわらげ、リラックスすることができるので、眠りやすくなるポイントのひとつです。このツボは、手の甲に位置し、親指と人さし指の分かれ目あたりにあります。
ツボを押す時は、少し強めに親指で押したり揉んだりしてマッサージします。両手をそれぞれ20~30回程度刺激してあげると効果的です。
まとめ
今回は、眠りたいのに眠れない日々を送っている方に向けて、その原因と改善のための方法を解説しました。
良質な睡眠を妨げる原因は多岐にわたりますが、意識して改善できることも多くあります。
適切な対処法を知っていれば、症状の深刻化を防げるでしょう。
今回紹介したマッサージは、どれも布団の中で実践できる内容となっているので、睡眠不足に悩んでいる方は参考にしてみてはいかがでしょうか。