自宅で簡単にできるセルフマッサージで、足のむくみ解消を目指す!
よく「靴は夕方に買え」といわれます。これは夕方になると足がむくむため、一番足が大きな状態の時のサイズに合わせて靴を購入する方がよいことを指した言葉です。
足がむくむのは、いわば二足歩行になってからの人間の宿命です。
だからといってむくみを放置すれば足が太く見えるだけではなく、皮下脂肪が肥大して形成される「セルライト」の一因にもなります。
そこで今回はマッサージなどを含め、足のむくみを解消するための方法を解説します。
足がむくむ仕組み
「水分は」人間の体の60%を占めているため、水分の過不足は人体に大きな影響を与えます。
一般的に「むくみ」と呼ばれるものは、血管の中にある水分の流れが滞ることで血管の外に過剰に浸み出してしまい、それが皮膚の下の細胞に蓄えられてしまっている状態のことを指し、専門的には「浮腫(ふしゅ)」とも呼ばれます。
通常、こうした余分な水分は静脈やリンパによって回収されて人体の中を循環し、最終的には心臓へと戻されます。
この循環がうまく流れていれば、むくみは起きません。
しかし何らかの原因で血流が停滞すると水分が溜まり続け、むくみが起きてしまいます。
そして人体の中でむくみが最も起こりやすし場所、それが「足」です。
心臓から最も遠い場所にあること、さらには重力によって血液は足にとどまりやすくなるため、人間の体の構造上、どうしても足は他の部位と比較するとむくみやすいのです。
足のむくみの有無は、簡単にセルフチェックできます。
足のすねの骨に沿った部分などを指で押すと、押した部分がへこみます。
この時へこみがすぐに戻れば正常、しかしへこんだ状態が長く続くようであれば足がむくんでいる証拠です。
こんな生活習慣がむくみを引き起こす
むくみは、生活習慣が原因で引き起こされることがあります。
ここではむくみの原因となる6つの生活習慣について解説します。
■その1 冷たい飲み物が好き
冷たい飲み物を飲むと、体が冷えます。
すると血管の中の水分が放出されて血管内の水分が不足し、血液の循環が悪くなることでむくみの要因となります。
■その2 アルコールやコーヒーを好んで飲む
アルコールやコーヒーには、利尿作用があることが知られています。
そのためこれらの飲み物を大量に摂取すると必要な水分まで放出されてしまうことで血液の循環が悪くなり、結果的にむくみに繋がります。
特にアルコール場合、血中のアルコール濃度が高くなると血管が拡張するため血管から水分が漏れ出しやすくなります。
飲酒をした翌日に瞼や顔全体がむくんでしまうのはそのためです。
■その3 デスクワークで1日中座りっぱなし
むくみは血流の低下によって引き起こされますが、血流は筋肉が動くことによって促されます。
デスクワークのように1日中座りっぱなしで足の筋肉をあまり動かさないと血流が低下してむくみの原因になります。
■その4 運動不足
運動不足で筋力が衰えれば、当然血流のポンプとしての筋肉の機能も弱まって血流が悪くなり、むくみが起こりやすくなります。
■その5 塩分の取り過ぎ
塩分を過剰に摂取すると、人体は塩分濃度をいわば水で薄めることで元に戻そうとします。
そのため体内に水分が溜め込まれてしまい、これがむくみに繋がります。
■その6 月経・妊娠
女性の場合、ホルモンバランスの関係で月経前の時期にはどうしても体に水分が溜まりやすくなるため、結果としてこの時期は生活習慣に気を配っていてもむくみやすくなります。
これは妊娠中も同様で、妊娠中も体内に水分が溜まりやすくなります。
ただし、妊娠中のむくみが血圧や腎機能低下、そして妊娠中毒症などのサインともなっているので、たかがむくみと思わず、いつもよりむくみがひどいなと感じた時には、定期検診の時期ではなくてもすみやかにかかりつけの産婦人科医に相談してください。
足のむくみを改善するための5つのポイント
このように足がむくむ原因は千差万別ですが、やはり最も大きな原因となるのが血流の低下です。
そこで次に、足のむくみを改善するための5つのポイントを紹介します。
■ポイント1 適度に水分を摂取する
余分な水分がむくみの原因になるなら、いっそ水分の摂取を控えればいいのでは? と考えてしまいがちですが、実はそれはNG行為です。
体が水分不足を感じると、体内に水分を溜め込もうとします。そのためむくみを解消するためには、適度に水分を摂取することが重要です。
そして給水をする際には一度に大量の水を飲むのではなく、こまめに給水したほうがむくみの改善には効果的です。
また寝る前にコップ1杯の水を飲む、常温の水を飲むことを心がけるだけでも、むくみの改善に繋がります。
■ポイントその2 就寝前に足を心臓より高い位置に置く
足はほぼ1日中、心臓より低い位置にあります。
そこで就寝前に足の下にクッションなどを入れて心臓と同じ高さかそれ以上の位置に置くことで静脈の血流が良くなり、足のむくみの改善につながります。
■ポイントその3 ふくろはぎを動かす
足のむくみの解消に重要な役割を果たすのが、ふくらはぎの筋肉です。
そのため運動やマッサージでふくらはぎの筋肉を動かすと、血流を流すポンプの機能が高まりむくみの改善につながります。
■ポイント4 減塩・禁煙
減塩も、むくみ解消には重要なポイントです。
もし、塩分を摂取しすぎたなと感じた日には、塩分を尿として体外に排出する働きがありカリウムを多く含む食品(バナナやリンゴなど)を積極的に食べるようにしましょう。
さらに喫煙はタバコに含まれるニコチンが毛細血管の働きを低下させてしまうため、禁煙もむくみの改善には有効です。
■ポイント5 体を冷やさない
体が冷えると、どうしても血流が悪化します。
そのため冬はもちろん、夏もエアコンが効きすぎたオフィスでは膝掛けなどで防寒対策をする、お風呂はシャワーで済ませずにしっかり湯船に浸かって温まるなど、体を冷やさない工夫がむくみの改善につながります。
足のむくみをとるマッサージ
足のむくみ改善のポイントのひとつに、その日のむくみはその日に解消し、むくみをためないという点があります。
そこで夜、お風呂上がりや就寝前にやると効果的な、足のむくみを取るための2つのセルフマッサージの方法を紹介します。
セルフマッサージその1 ツボ押しマッサージ
足の裏は「第二の心臓」とも呼ばれており、全身に反応するツボが集中しています。
そこで足の裏を中心に、足にあるツボを刺激することでむくみが解消できます。
ツボを見つけたら、痛気持ちいと感じる程度にゆっくりと圧を加えて揉みほぐすのが基本です。
そのため指の滑りが良くなるように、ボディーローションやベビーオイルを使うと肌を痛めません。
さらに湧泉の場合は、デスクワークで椅子に座ったまま、湧泉の部分にゴルフボールをあてて転がすだけでも刺激になり効果があります。
足のむくみに効果的なツボには、次のようなものがあります。
三陰交(さんいんこう)
くるぶし周辺にあるツボで、くるぶしの一番高い場所に小指を置いた時、人差し指の指先が触れる場所にあります。
足三里(あしさんり)
膝に触れ、指を上下に動かしながら膝の外側に少しずつ動かしていくと、突起した骨が指先に触れます。
その突起した部分に人差し指を置き、中指や薬指が触れている部分が足三里のツボです。
湧泉(ゆうせん)
足の指に力を入れ、内側に向かって丸めた状態で足裏に触れると、中指の少し下あたりにへこみが感じられます。そこが湧泉です。
承筋(しょうきん)・承山(しょうざん)
いずれもふくろはぎにあるツボで、ふくろはぎが最も膨らんでいる部分の中央にあるのが承筋、同じくふくらはぎのセンターライン上にあり、膝の裏とくるぶしの中間点の位置にあり、つま先立ちをしたときに筋肉がくぼむ部分にあるのが承山で、この2つのツボは一直線上にあります。
太衝(たいしょう)
太衝は足の甲にあるツボで、足の親指の骨と人差し指の骨が接する部分に触れていてくぼみを感じたら、そこが太衝です。
セルフマッサージその2 リンパマッサージ
リンパマッサージとは、リンパの流れに沿って刺激を加えることで、老廃物の排出を促してむくみを解消する方法です。
リンパマッサージの基本は、心臓から遠い部分から始め、心臓に向かってリンパを流すイメージで行う点です。
具体的な手順は、以下のようになります。
<足のリンパマッサージの手順の例>
1. 指の滑りが良くなるように、足の裏を含めて全体的にボディーローションなどを塗る
2. ちょうど太衝のツボを起点に、そのまま足首に向けて直線上に圧を加える
3. 湧泉から足の指の付け根に向かい、押し上げるようにほぐす
4. ふくろはぎの部分をくるぶしから膝に向かい、骨の側面に沿って内側外側両方を揉み上げる
5. 足のリンパの排出口は膝裏にあるので、アキレス腱から膝裏に向かってふくろはぎの中央を揉み上げる。そして最後に膝裏を軽く揉みほぐす
時にはプロの施術を受けてむくみの大掃除をしよう!
毎日自宅でケアしていても、どうしても取りきれなかったむくみが毎日蓄積します。
毎日ケアを行っても足のむくみが気になるときは、むくみが蓄積されたサインです。
そんな時にはリフレクソロジーやリンパトレナージュといったプロの手による施術を受けて、むくみの大掃除をするのもおすすめです。