緊張型頭痛の原因は?対処法と効果的なマッサージを紹介
私たちが経験する頭痛の中で最も多いのが、緊張型頭痛といわれています。パソコン作業などによる肩や首のこり、目の疲れなどに伴い生じる頭痛はこのタイプです。
この記事では、緊張型頭痛がどんな症状を引き起こすのか、その原因や対処法なども合わせて解説します。
症状を緩和させるマッサージやストレッチなどもご紹介しますので「自分の頭痛は緊張型頭痛かも?」と感じている方の参考になれば幸いです。
緊張型頭痛とは
緊張型頭痛とは、筋肉の緊張やストレスが原因となる頭痛の一種です。
頭痛は大きく「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に分けられます。
一次性頭痛は頭痛の原因となる病気の存在が明確ではないものを指します。
一方病気が原因となり生じる頭痛が二次性頭痛です。
緊張型頭痛は「片頭痛」「群発性頭痛」と共に一次性頭痛に分類されており、頭痛のなかで最も一般的かつ発生頻度の高い頭痛であるとされています。
緊張型頭痛のタイプ
緊張型頭痛は、症状の出現頻度により、ときどき起こる「反復性緊張型頭痛」とほぼ毎日起こる「慢性緊張型頭痛」に分けられます。
反復性緊張型頭痛は肩や首のこり、頭の筋肉の緊張などが要因となり生じやすくなると考えられています。
一方慢性緊張型頭痛は肩や首、頭部の筋肉の緊張に加え、ストレスなど関わり痛みを感じやすくなった状態であるといわれています。
仕事で長時間同じ姿勢をとっていたりパソコン作業をしたりといったことや、精神的な要因によって起こる痛みが緊張性頭痛であるといえますね。
緊張型頭痛の症状
ズキズキとした痛みが起こる片頭痛に対し、緊張型頭痛は頭を締め付けられたような痛みが生じます。
群発性頭痛は目の奥の激しい痛みが頭の片側に起こり、数週から数ヶ月間何度も起こるのが特徴の頭痛です。目の充血やまぶたの下垂、鼻水や鼻詰まり、涙などを伴い、一度症状が出ると、じっとしていられないほどの痛みが数分~数時間持続します。この頭痛は男性に多いことも特徴のひとつです。
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具体的には以下のような症状が生じます。
・後頭部を中心とし、ギュッと締め付けられるように痛む
・寝込むほどの頭痛ではないが、一日中鈍い痛みが続く
・肩や首のこり、目の疲れなどが伴う
緊張型頭痛では動きによる痛みの悪化や吐き気などは伴わず、重度の症状を訴える方は多くありません。そのため比較的軽い症状の頭痛であるといえるでしょう。
緊張型頭痛が起こる原因
緊張型頭痛は首や肩、頭部の筋肉の緊張が引き金となり起こる頭痛です。ここでは緊張型頭痛の原因を詳しく見ていきましょう。
身体的ストレス
長時間にわたる同じ体勢での作業やパソコン作業などによって、肩や首に負担がかかるなどした場合、筋肉が過度に緊張し血流の悪化を招きます。
血流が悪くなると疲労物質が滞り、それが神経を刺激することで痛みを生じると考えられているのです。
肩や首回りの筋肉量が少なく筋力の弱い方は、頭部の重みに耐えられず肩や首のこりに発展しやすいといわれています。
そのため、緊張型頭痛もこのような方に起こりやすいといえるのかもしれませんね。
精神的ストレス
身体的な要因に精神的なストレスが加わった場合、もしくは精神的ストレス単独でも頭痛が生じやすくなります。
精神的なストレスは脳の神経伝達に影響を及ぼすため、痛みを感じやすくなると考えられています。
イライラや怒りなどの精神的ストレスは筋肉の過度な緊張にもつながります。
つまり、精神的ストレスのみでも血流の悪化が起こり、緊張型頭痛を起こしやすい状態となっている可能性もあるということになるでしょう。
緊張型頭痛の対処法
「仕事のストレスやパソコン作業が頭痛の原因になっているのでは?」と感じている方も多いのではないでしょうか。
このような場合、どのような対策を講じたら良いのでしょうか。
同じ姿勢を長時間続けず、姿勢を正す
デスクワークをしていると、つい同じ体勢でパソコン作業を続けてしまいがちですが、これが頭痛の原因になることがあります。
たまに立ち上がって、体を伸ばすようにしましょう。
また、椅子に座ったままでも、肩を回したり首を左右に傾けたりするだけでも筋肉の緊張を防ぎやすくなります。
日常的に運動する
運動により、ストレスの解消や血行の改善が期待できます。
運動が苦手な方でも、意識して歩くだけでも効果が期待できるため、日常生活の中で無理なく取り入れることが大切です。
短時間でも散歩やジョギングを楽しむと気分転換にもなりますし、健康的な体づくりに役立ちます。
首や肩を温める
状況によっては温湿布や蒸しタオルなどを活用して、首筋や肩などの緊張した筋肉を温めることも頭痛の緩和に有効です。
自宅にいる場合などはシャワーで温めたり湯船につかったりしてみても良いでしょう。
マッサージやストレッチをする
パソコン作業などに伴い頭痛が生じたら、まずは休憩を取って頭や首、肩などのマッサージやストレッチを行いましょう。
*1厚生労働省では、パソコンなどでの作業において1時間に10~15分程度の休憩を取ることを推奨しています。
適宜休憩を取って簡単なストレッチを行ったり首筋や側頭部をもみほぐしたりすることで、症状緩和のほか頭痛の予防にもなるでしょう。
緊張型頭痛の症状を和らげるマッサージやストレッチについては、この後詳しくご紹介します。
*1 厚生労働省「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて」
緊張型頭痛の症状を和らげるマッサージ
緊張型頭痛の痛みを和らげるには、側頭部や首回りのマッサージがおすすめです。
まずは両耳の上部分のマッサージをご紹介します。
こめかみ~髪の生え際辺りを指で軽く押さえ、持ち良さを感じる程度にじんわりと押し込みましょう。
その力で円を描くようにゆっくりとマッサージします。
耳の付け根のすぐ上部分を、同じようにマッサージするのも効果的ですよ。
次は後頭部から首の付け根にかけてのマッサージをご紹介します。手のひらで両耳を覆うようにします。
親指で髪の生え際(襟足付近)に沿って押すようにマッサージしましょう。
またこぶしをつくり、この部分にこぶしの小指側をあててグリグリともみほぐすのもおすすめのマッサージ法です。
緊張型頭痛の症状を和らげるストレッチ
肩回りの筋肉の緊張、つまり肩こりによる頭痛にはストレッチが効果的。
首から背中に広がる「僧帽筋(そうぼうきん)」の緊張をほぐすことで肩こりの解消につながります。
両肘を軽く曲げ、肩を前後に回します。前に回すときはリュックを背負うように、後ろへ回すときは上着を脱ぐように行うのがポイントです。
初めは小さく回すことから始め、慣れてきたら大きく回すことを意識しましょう。
僧帽筋は大きな筋肉です。大きく回すことでより広範囲の筋肉に刺激を与えられますよ。
この肩を回すストレッチは頭痛の緩和や予防のほか、肩こりの改善・予防にも役立ちます。
パソコン作業の合間などにぜひ試してくださいね。
症状が改善しない場合は病院へ
ストレッチやマッサージでも頭痛が改善しない、症状が悪化する場合は何かしらの病気が隠れている可能性も。
このような場合は自己判断せずに受診するようにしましょう。
また頭痛に加え、吐き気や手足のしびれなど他の症状がある場合も早めに診察を受けることをおすすめします。
頭痛には重大な病気が潜んでいるリスクもあるため、我慢できないほどの頭痛や他の症状が伴う場合は一刻も早く受診することを意識しておきましょう。
まとめ
緊張性頭痛はいくつかある頭痛のタイプのうち、肩こりなどによる血流の悪化および精神的なストレスが原因となり生じる頭痛です。
一般的な頭痛はこの緊張型頭痛であるといわれていますが、パソコン作業などを長く続けた場合に肩こりや目の疲れと共に生じる頭痛であるともいえます。
緊張型頭痛はズキズキと痛む片頭痛と比べると、日常生活に支障を来すほどの痛みは現れにくいです。
しかし、なかなか症状が改善しなかったり、日々悪化したりする場合は、早めに受診するようにしましょう。
多くの緊張性頭痛はマッサージやストレッチなどセルフケアが有効です。
後頭部から首筋にかけてのマッサージや、肩回りのストレッチは頭痛の症状を和らげるほか、予防にも役立ちます。
パソコン作業などデスクワークが多い方などは、適度に休憩を取ることに加えストレッチやマッサージを取り入れて頭痛に対処してみてくださいね。